2013年9月16日月曜日

他人のお金と総有と「理事長の権限」

管理組合と自治会は違いますよ
組合員の、組合員による、管理組合運営

今回は、「他人のお金」と「総有」と「理事長」の関係についてお話し致します。
「他人のお金」も「総有」も別なブログで説明しましたので割愛し、
「理事長」についてお話し致します。
「建物の区分所有等に関する法律」(以下「法」)といいます。) には、
権利能力なき社団での「管理組合」と「理事長」という言葉はありません。
「法」は、団地管理組合の場合第65条で「団地建物所有者の団体」として
「一団地内に数棟の建物があって、
その団地内の土地又は付属施設がそれらの建物の所有者の共有に属する場合には、
それらの所有者は、
全員で、その団地内の土地、付属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成し、
この法律の定めるところにより、
集会を開き、規約を定め、及び管理者を置く事ができる。」とあります。
「法」でいう「管理を行う為の「団体」が「管理組合」です。
「法」は管理の対象を「団地内の土地、付属施設及び専有部分のある建物の管理」に
限定しているのです。
その為に組合員の全ては専有部分の持ち分に応じて「管理費及び修繕積立金」(以下「管理費等」という。) 
を「管理組合」に支払う義務があります。
管理に関する業務(事務)を組合員全員で執行するには、困難だと「法」は「管理者」制度を定めています。
「法」第25条(管理者の選任・解任)は、
「区分所有者は、規約に別段の定めがないかぎり集会の決議によって、
「管理者」を選任し、又は解任を請求する事ができる。」 とあります。
「法」に定める管理者は、組合員との規定もなく、
法人でも自然人でもよく、人数も複数でもよいと解されています。
「管理者」は管理組合において業務及び事務の執行機関です。
「管理組合」の総会で決定された「管理組合の業務及び事務」を執行する「労務の提供者」なのです。
極端な言い方をすれば「管理組合員総員の委任による受任者」と理解すれば解りやすいと思います。
「法」第28条に「民法・委任の規定の準用」と明確に管理組合と
「管理者」の関係及び「管理者の権限・義務」が解ります。
民法・委任の規定は「契約」ですから「管理者」は「善良なる管理者の義務・忠実義務」を
組合員に負う事になり、任務に違背すれば「債務不履行」となり、損害賠償義務を負い、
「不正な行為・任務に適さない事情」があれば
「法」第25条2項により各組合員から「解任請求」が提起出来ます。
そもそも、「管理者制度」は、「組合員では専門的知識が乏しい」ため管理業務が行えないと、
当時の団地の政策執行者建設省、団地を造った日本住宅公団(いまのUR)、
一体化した団地サービスへ「管理」委託契約を誘導する「管理者制度」と言われています。
ブラック管理組合は、規約により、総会で組合員の総意により「理事」を選任し理事会
が構成され、理事の互選により、「理事長一人、副理事長二人が互選」され
各理事は管理業務及び事務の分担を取り決め執行します。任期は、1年間です。
これを管理組合の「理事会運営方式」と呼ばれ、
これも「建設省ファミリー」の利益誘導の産物と言われています。
ちなみに、「法」では、権利能力なき社団の場合「理事」という役職の定義はありません。
非法人でもなれる「管理者・理事」の「法」による「権限の定義」の曖昧さから、
組合員に理解できず、組合員及び組合との権利関係が曖昧いで紛争の原因になっていると言えます。
「管理者」の「権限と義務」は、第66条(建物の区分所有に関する規定の準用)から、
第26条(管理者の権限)の規定があり、
1項で「管理者は、共用部分並びに第二十一条に規定する場合における
当該建物の敷地及び附属施設(次項及び第四十七条第六項において
「共用部分等」という。)を保存し、集会の決議を実行し、
並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。」と規定されています。
「管理者」と管理組合及び組合員との法律関係は、委任の労務提供契約です。
受任者である「管理者」に善管注意義務・忠実義務等が課されていて、
契約違反の場合、損害賠償義務を負い、不正が進むと「裁判による解任請求」に至るのです。
「他人のお金」である総有財産の管理費等を勝手に処分する権限は「管理者」はもちろん
「理事長」「副理事長」「理事」にもありません。
管理とは、主として共有財産の保存だけです。
管理費という「他人のお金」(総有財産)を勝手に使う権限はなく、「犯罪」なのです。
また、刑法の背任行為なのです。理事を受任ながら善管注意義務違反した場合は背任行為です。
理事長は単に理事全員から理事長の立場を委任受けただけなのです。
組合員から理事長の権限を受けたのではありません。

以上

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