2013年8月30日金曜日

管理組合と自治会の違い・再考

管理組合と自治会は違いますよ 
組合員の、組合員による、管理組合運営

本ブログの主題「管理組合と自治会は違いますよ」において「何が違うのか」「管理組合とは何か」を整理してみました。

1 管理組合とは
(1) 管理組合はなぜあるの
ア 共同住宅の法律(ルール)なのです。
 団地等は共同住宅ですから、敷地権の制限、共有部分の使用ルール等を「法」で
 規定しないと、組合員同士が権利関係を様々に主張し、団地内は戦争状態になり
 ます。
 共同生活の ルールを法律に作ったものと考えると理解しやすいです。
 ブラック管理組合のように、別団体の「自治会」の全ての会費を「自治会費を徴収せず、
 管理費で賄う」とし全て管理組合が負担する違法なことか、
 自治会費の管理組合負担を正当化する為の「自治会との統合・合併」とかの嘘の総会決議
 等の勝手なルールを決めてはいけないという法律なのです。
 棟割り長屋の「トラブル防止の為にある生活ルールの取決め」が「法」と考えると
 解りやすいでしょう。
 それが「建物の区分所有等に関する法律」(昭和37年4月4日法律第69号)
 (以下「法」)なのです。
イ 「法」の原点は、削除された民法第208条にあります。
 民法208条(建物の区分所有)(昭和37年削除)
 『数人にてー棟の建物を区分し、各其一部を所有するときは、
 建物及び其附属物の共用部分は其共有に属するものと推定す』、
 『共用部分の修繕其他の負担は各自の所有部分の価格に応じて之を分つ』
 (原文カナを直してあります。) 
 とありました。削除された、民法208条が「法」となったのです。
 元の法律条文はシンプルに表現してありますので
 「法」の趣旨が理解しやすいです。
ウ 「建物の区分所有等に関する法律」の管理組合
(ア) 「法」の制定
  この法律は、昭和37年4月4日法律第69号として制定され、昭和38年4月1
  日から施行されています。平成25年8月30日現在の最終改正は、平成23年
  6月24日法律第74号です。
(イ)「管理組合」
  「管理組合」と言う「ことば(用語)」は、この法律にはありません。
   「法」の条文は「第3条  区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附
   属施設の管理を行うための団体を構成し」とあり「団体を構成し」とは「管理組
   合を作らなければならない」ことを「法律が定めて」 いるのです。
   「建物並びに敷地及び付属施設の管理団体」が管理組合なのです。
   当然、「建物並びに敷地及び付属施設」の管理に要する費用「管理費、修繕積
   立金、駐車場使用料等(以下「管理費等」)」を組合員の持ち分に応じて管理組
   合に支払うことになります。
   ブラック管理組合は、法律行為に権利能力なき社団(非法人)です。
(ウ)組合員全員の財産を管理する団体なのです。
  ブラック管理組合の「管理費等」の金額は、年間2億円近くにもなります。
  管理組合で預かった「管理費等」の金銭は、組合員の「総有財産」といいます。
  「総有財産」の処分権(使い方を決める決定権)は、組合員の総意によります。
  『通常総会』が開かれるのはそのためです。総有財産の処分権は組合員全員
   にあります。故に総会を開き組合員の合意(賛成)がなければ「総有財産」を
   処分する事はできません。
   理事長・副理事長・会計・理事・監事(一括して「役員」) に処分する権限
   はありません。「役員」だからと言って何でもできるわけではありません。
   何故ならば、「役員」は、総会で組合員により総会で選任され、総会で決定され
   た管理組合の運営業務及び事務の執行者であるに過ぎないからです。
   理事長・副理事長・理事・監事は、身分権ではありません。
(2) 誰が組合員なの(構成員は誰なの)
  団地一部屋の所有権を『区分所有権』といいます。
  登記している人(区分所有権を持つ人)を「区分所有者」といいます。
  区分所有者全員で、団体を構成する、すなわち「管理組合」を作らなければいけません。
  区分所有権も民法の物権(所有権)ですから、
  登記している人(区分所有権を持つ人即ち区分所有者)が「管理組合」組合員です。
  配偶者及び一親等の親族は 法的に他人ですから組合員ではありません。
  管理組合の組合員は区分所有者であるとする身分権なのです。
(3) 誰が財産管理を行うの
  ア 組合員の最高意思決定は「総会(通常・臨時)で「法」と規約により組合員
   全員の意思表示を得て決定し「理事会」が業務を執行します。
   理事会は「業務の執行」機関なのです。
   執行機関とは、「総会で決定した組合員の意思表示」事業計画と実行予算に
   基づいて「業務と事務」を行うだけなのです。
   それ以外の行動は、任務違背不正行為で「損害賠償・背任」に問われます。
  イ ブラック管理組合では、規約第46条他で「理事会運営方式」が定められていま
   す。総会での組合員の意思決定に基づいて業務を行います。
  ウ 実際の日常業務は、外部の日本総合住生活㈱(旧㈱団地サービス)に外部委託
    契約をしている。
(4) 殆どの管理業務は委託契約で外注業者に依頼している
  ア 管理業務は外部業者への委託管理です。
   殆どの管理業務は日本総合住生活株式会社(以下「JS」)へ年間2500万円の
   金額で委託契約し外注しているのです。
  イ JS委託管理業務の内容
   (ア) 管理費及び修繕積立金等の収納業務は外注です。
   (イ) 集会所の管理窓口業務も、外注業者の職員です。
   (ウ) 団地内の清掃も毎日5人が請負業務として外注です。
   (エ) 給水施設維持管理業務も外注です。
  ウ 総会で選任された役員(理事・監事)の仕事は何か
   (ア) 役員の業務
     「役員」に与えられた業務は「委任」に基づく一種の労務提供の契約なの
      です。
     民法第644条(受任者の注意義務)は「受任者は、委任の本旨に従い、
     善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」と規定して
     あります。
     管理組合の主な仕事は、JS が行いますから、仕事はほとんどありません。
   (イ) 役員手当について
     「役員」の選任とは民法の「委任」に基づくものですから、その規定に基づき
     「受任者の報酬」請求権に基づき「役員手当」を貰っているのです。
   (ウ) 管理組合と自治会役員はダブル役員
      管理組合の理事長・副理事長は利益相反・双方代理、理事・監事等もダブル
     で役員を背わされています。実は、自治会の「お祭り・餅食い」が主たる仕事
     となっているのです。

2 自治会とは
(1) 管理組合と似て非なる「自治会」は、存在の法的根拠はありません。
  従って、入退会は自由で、管理組合のように強制力はありません。
(2) 自治会の構成は、地域住民の親睦、福祉、防犯、文化等にかかわる諸活動を行
   うことを目的とし、主に区役所等の行政機関の広報紙の配布等を行っています。
   自治会員は、地域に住所を有する者で加入を希望する「世帯単位」で構成され存
   在します。自治会員は、自治会を維持する為の費用「自治会費」を負担します。
   自治会は任意団体にして、且つ、任意加入団体なのです。
(3) 自治会への入会は、管理組合と違い不動産所有の有無は自治会活動とは関係
   がないから、占有者 (賃借人)でも入会できます。
(4) 自治会は非法人ですが、地方自治法等の条件を満たすと認可地縁団体として法
   人格が与えられます。宮向自治会のように、自治会費も徴収せず、管理組合に
   全て依存している団体では法人格の取得は絶望です。

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